コラム本文
Vol.95 不確定要素を考慮した遺言書
Q 私には、兄と妹がいますが(父母は既に死亡)、配偶者や子がおらず、私の身の回りのことは、妹や妹の子(甥)が面倒を見てくれています。兄とは、疎遠になっていますので、この妹にすべての財産を相続させる遺言書を作ろうと思っています。しかし、妹も高齢ですので、私より先に亡くなってしまうかもしれません。どのように遺言を作成したら良いでしょうか?
A 結論から申し上げますと、予備的な遺言として、妹さんが先に死亡した場合、妹さんに相続させるとした財産を甥御さんへ相続させると書いておくと良いでしょう。
例えば、遺言書で「すべての財産は妹へ相続させる」とだけ書いたとします。この状態で遺言者が亡くなり、妹さんが遺言者より先に死亡していたときは、この遺言の効力は無くなってしまいますので、法定相続人であるお兄さん(法定相続分は2分の1)と甥御さん(法定相続分は2分の1)が財産を相続することになります。また、遺言書の効力がありませんので、遺産分割協議を開く必要があります。
しかし、遺言書で「1.すべての財産は妹へ相続させる。2.妹が遺言者より先に又は遺言者と同時に死亡したときは、妹へ相続せるとした財産を甥へ相続させる」としておけば、万が一、妹さんが先に亡くなっていたとしても、遺言書は効力を失わず、すべての財産は甥御さんへ相続させることができます。もちろん、遺産分割協議も開く必要もありません。
まとめ
ご質問のような場合、「1.すべての財産は妹へ相続させる。2.妹が遺言者より先に又は遺言者と同時に死亡したときは、妹へ相続せるとした財産を甥へ相続させる」と書いておくと良いでしょう。
山口県下関市の相続手続はお任せください。
〒751-0852 山口県下関市熊野町1-7-17
TEL:083-250-5162 FAX:083-250-5163
ライト行政書士事務所 行政書士 清水信夫
日本行政書士連合会 登録番号08350546
山口県行政書士会 会員番号1198