コラム本文
Vol.101 相続放棄と管理責任
Q 父の相続について、私たち子ども全員は相続放棄をしましたが、現在、私が父名義の預金通帳や不動産の権利証、その他動産などの相続財産を保管しています。私は、相続放棄をしたので、相続財産を勝手に処分するわけにはいきませんが、どのようにしたら良いでしょうか?母は、既に他界しています。
A 結論から申し上げますと、次の相続人、または相続財産管理人に相続財産を引き渡せば、相続財産の管理責任は終了します。
相続放棄をすれば、最初から相続人ではなかったとみなされますので、相続財産を引き継ぐことありません。ただ、現に相続財産を管理・保管している場合がございます。このような場合、次の相続人が相続財産の管理をすることができるようになるまで、自己の財産を管理するのと同等程度の注意をもって、相続財産を管理する必要がございます。これが相続財産の管理責任と言われるものです。
次の相続人がわかれば、その方に相続財産を引き渡せば、管理責任は終了します。もし、次の相続人も相続放棄をし、相続人が誰もいなくなった場合は、相続人不存在となりますので、相続財産の引渡しができなくなります。このような場合は、裁判所に相続財産管理人選任の申立てを行い、相続財産管理人を選任してもらいます。相続財産管理人が選任されれば、その方に相続財産の引渡しをすれば、管理責任は終了します。
まとめ
相続放棄をしても、現に管理・保管している相続財産の管理責任は残ります。次の相続人、または、相続財産管理人へ相続財産の引き渡しが完了すれば、管理責任は終了します。
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